なか仙寄席通信第21号

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あけましておめでとうございます。

といっても月末ですからすっかり正月気分も抜けておりますが、今年初のなか仙寄席でございます。相変わらず暗い話題が続く中、せめて寄席のひと時だけでも浮き世のうさを忘れ、桂枝光師匠の賑やかな上方落語に大いに笑っていただきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ところで今年は、枝光師匠が大阪から北海道に移住して20周年なんですね。喘息のお子さんの転地療法のために縁もゆかりもない土地へ91年にやって来て、落語不毛の地と言われたこの北海道で孤軍奮闘してきたわけです。そのご苦労といったら……詳しくは、桂枝光+土肥寿郎の名著『ちりとてちんの味わい方』(1000円)と『愛宕山の登り方』(1500円)に収録されている「桂枝光の噺家人生」をご覧ください。

さて、その20周年を記念した「平成開進亭」の特別公演が来たる3月10日(木)、札幌駅北口のエルプラザで開催されます。ゲストは先日放映された『情熱大陸』でも紹介された落語協会会長・柳家小三治門下の柳家三三師匠。東京では独演会のチケット入手が困難な人気と実力を兼ね備えた当代きっての若手真打です。この日は枝光師匠の上方の古典落語と三三師匠の江戸前の古典落語のぶつかり合いになることが必至の好カード。見逃せませんよ。(チケットを購入されたい方はなか仙寄席スタッフにお申し出ください。)

さあ、本日のなか仙寄席もすごいです。大きなネタの三連発。枝光師匠、今年初の高座なので気合い入ってます。

まずは東西で多くの噺家がそれぞれの味付けで演じているおなじみの噺『道具屋』。得意とした笑福亭仁鶴師匠は昔このネタだけで家を建てたとか建てないとか。中トリネタは大阪でもなかなか聞く機会の少ない『天神山』。こちらは枝光師匠の十八番となりつつある幻想譚とも言えるお噺。

そして本日のトリネタはなんと上方落語屈指の大ネタ『らくだ』です。今この難しい長尺ネタをやって客を呼べるのは笑福亭鶴瓶だけと言ってもいいでしょう。枝光師匠にとっては今日が正真正銘の初舞台。噺の筋はあえて説明しますまい。今日この日、なか仙に来たあなたは幸せ者だ。年始めから札幌で『らくだ』を聞けるなんて(それもネタおろし)! 一生自慢していいです。

では今しばらくお待ちください。

(土肥寿郎/「なか仙寄席」世話人)