2010
「笑いは健康によい」ということが、科学的に立証されているらしい。笑うと「ナチュラルキラー細胞」が元気になって、体内の悪者をやっつけてくれるそうだ。
だとしたら、年中ゲラゲラ笑っている大阪の人たちはさぞかし長生きするだろうと思うのだが、枝光さんの奥さまによると、大阪人はよく笑う一方で絶えず損得勘定に神経をすり減らしているので、結局プラマイゼロになるのだとか。
なか仙寄席プロデューサーの土肥氏も人生そのものが落語みたいな人なのだが、日頃の悪行が笑いの効果を上回ってしまったようで、今はミソギの修行に励んでいる。きれいな身体になって帰っておいでー。
さて、前回のなか仙寄席は、うららかな天候に恵まれ、運動会の応援やゴルフに駆り出されなかった幸運な人たちで大入り満員となった。一席目は、いかにも春らしい「愛宕山」。レンゲ・タンポポ花盛りの田舎道、燃えたつ陽炎の中、菜の花畑を飛びかう蝶が目に浮かび、気がつけばお大尽一行とともに愛宕山の麓に立っている。裾をはしょつて軽快に登っていく舞妓の後を追いながら、重い荷物を背負った一八とたどる山道は、膝が笑い、鼻の穴二つでは足りないほど息が上がる。さらに谷底へ飛んだり戻ってきたりと、オチがつく頃にはもうへとへと。中入りで飲んだお茶のそりゃもう美味しかったこと!
ネタおろしとなった「はてなの茶碗」は、枝光さんの師匠である五代目桂文枝さんの十八番。持ちネタの一つ「井戸の茶碗」と似ているため避けていたそうだが、満を持しての初演は出だしから気合い十分。「はてな」の真相を聞かされた油屋のリアクシヨンは爆笑ものだった。
この日、枝光さんは文枝師匠から譲り受けた羽織を身につけて高座に上がった。着道楽だったというだけあって、生地も仕立ても見事な一枚。枝光さんによく似合っている。こんな形で師弟共演が見られるなか仙寄席は幸せな場所だ。これには「はてな」は付かないはず。
(なか仙寄席スタッフ見習い/きょうこ)






